東京五輪・パラリンピックの汚職事件を巡る疑惑がさらに広がりを見せているようです。
当時、大会組織委員会理事だった高橋治之容疑者が、出版大手「KADOKAWA」が大会スポンサーに選定されるよう組織委側に働きかけた疑いがあるとのことで報道されています。
KADOKAWAは、「書籍及び雑誌の出版サービス」という分野でのオフィシャルスポンサー契約を締結していますが、もともとこの「書籍及び雑誌の出版サービス」という分野の設定はなかったため、高橋治之容疑者とその知人が、言わばKADOKAWA側の要望に沿うような形でスポンサー枠を新設するように持ち掛けたということです。
それでは、KADOKAWAが契約していたこの「書籍及び雑誌の出版サービス」とはどのような契約内容なのでしょうか?確認していきましょう。
「書籍及び雑誌の出版サービス」の契約内容は?
契約プログラム | 東京 2020 スポンサーシッププログラム |
契約内容 | ・オフィシャルサポーター(書籍及び雑誌の出版サービス) ・呼称やマークなどを使用し、オリンピック・ムーブメントおよびパラリンピックムー ブメントの盛り上げや、日本代表選手団の支援、東京 2020 オリンピック・パラリンピ ック競技大会の成功に貢献します。 |
契約期間 | 契約締結日~2020 年 12 月 31 日 対象 <大会> 第 32 回オリンピック競技大会(2020/東京) 東京 2020 パラリンピック競技大会 <日本代表選手団> 第 3 回ユースオリンピック冬季競技大会(2020/ローザンヌ) 第 32 回オリンピック競技大会(2020/東京) 東京 2020 パラリンピック競技大会 |
領域 | 日本国内 |
KADOKAWAは「書籍及び雑誌の出版サービス」を締結した後、東京大会の公式ガイドブックなどについて公式ライセンス商品の承認を受け、2021年4月から順次発売しています。
KADOKAWAの疑惑詳細
それでは、今回のKADOKAWAの疑惑について簡単に流れを確認しましょう。
- KADOKAWAは東京五輪・パラリンピックのスポンサーになることを目指していた
- 電通の幹部だった高橋治之容疑者の知人に相談
- 知人は高橋容疑者にKADOKAWAの要望を伝える
- 出版部門のスポンサー枠がなかったので、電通に出版部門のスポンサー枠を新設するように依頼
- スポンサー選定をKADOKAWAともう1社の計2社で実施、もう1社が辞退してKADOKAWAがスポンサーとして選定。
- KADOKAWAは「書籍及び雑誌の出版サービス」の分野でオフィシャルスポンサー契約を締結。
- KADOKAWAは契約締結後、高橋容疑者の知人が経営するコンサルタント会社「コモンズ2」へ7,600万円の支払いを行った
この疑惑が間違いないのであれば、「書籍及び雑誌の出版サービス」は、高橋容疑者がKADOKAWAからの具体的な要求に答えるためだけに作られたスポンサー枠であると言えますし、今回の行為も受託収賄に値すると言えそうです。
<2022年9月16日追記>
KADOKAWA会長の角川歴彦氏が、贈賄容疑で逮捕されました。
上記の金銭の授受がわいろと認定されました。
東京五輪・パラリンピックの汚職事件を巡る疑惑は今後どうなる?
東京五輪・パラリンピックの汚職事件を巡る疑惑はまだまだ出てきそうですね。
AOKIホールディングスに関する疑惑で逮捕者も出ており、今後の広がりにも注目です。
本件については、関連記事がいくつかありますので、あわせてご覧ください。




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