株式会社太田精器ってどんな会社?「モンスターウルフ」は害獣対策の決定打になるか?!

全国で「クマ」による被害が多数報告されていますね。
近年のクマは、人に対する警戒心が薄れているといい街に降りてくるケースが増えています。襲われると大けが、場合によっては命を落とす恐れもあるため対策が不可欠です。

そんな中、クマ対策として「モンスターウルフ」というオオカミ型ロボットが話題になっています。
この「モンスターウルフ」は、「株式会社太田精器」という北海道の企業が開発したものだそうです。

では、「モンスターウルフ」を開発した「株式会社太田精器」がどんな会社なのか調査していくとともに、「モンスターウルフ」がクマを含む害獣対策決定打になるのかどうか検証していきましょう!

目次

株式会社太田精器ってどんな会社

ではまず、株式会社太田精器どんな会社なのか確認していきましょう。

  • 会社名:株式会社太田精器
  • 法人番号:8430001048178
  • 公式サイト:https://www.ohtaseiki.com/
  • 会社設立:1980年12月
  • 本社住所:〒079-0304 北海道空知郡奈井江町字奈井江609番地
  • 資本金:1000万円
  • 従業員数:48名(パート含む)*2021年末現在
  • 代表TEL:0125-65-2759
  • 事業内容:非鉄金属精密加工、金属部品研磨加工、精密機械部品加工 他
  • 役員
    代表取締役:太田裕治
    専務取締役:澤田石征志
  • 工場
    本社工場:北海道空知郡奈井江町字奈井江609番地
  • TEL:0125-65-2759 FAX:0125-65-2765
  • 主要取引銀行
    北洋銀行砂川支店
    北門信用金庫奈井江支店
    日本政策金融公庫
  • 製造内容:精密機械部品加工製造、超硬材部品加工及び研削・研磨加工、高精度精密部品加工製造、金型・治具製造及び仕上げ・ラッピング加工、LED機器の開発・企画・製造、各種部品組立加工製造

株式会社太田精器は、主に精密金型加工・LED機器の製造などを行う北海道の会社です。
過去、2009年には経済産業省中小企業庁が選出する「元気なモノ作り中小企業300社」に株式会社太田精器が選出されています。

また、株式会社太田精器の「金属磨き」の技術を生かしたタンブラー「OH!tumbler」を販売するなど、ユニークなアイデアも光りますね。

株式会社太田精器が開発した「モンスターウルフ」とは?

では、株式会社太田精器が開発したもう一つの自社製品「モンスターウルフ」について確認していきましょう。

モンスターウルフの基本情報

  • 商品名:モンスターウルフ
  • 開発:株式会社太田精器
  • 販売総代理店:株式会社ウルフカムイ 株式会社太田精器/太田裕治社長が副社長
  • 特設サイト:https://www.wolfkamuy.com/
  • 商品化時期:2012年(現行販売のモンスターウルフは2016年)
  • 動力源:太陽光発電バッテリー、別売り100VACアダプターでも稼働
  • 重量:19.6kg
  • 価格
    ■購入:605,000円(税込)
    モンスターウルフ本体の他、付帯設備のバッテリー、ソーラーパネル、センサー、増設スピーカー等の設置用部材、設置作業費、標準交通費を含みます。
    ■レンタル:23,100円(税込)/月
  • 特徴・効果
    ■オオカミマスクと毛皮で、オオカミの外観 – 野生動物の天敵であるオオカミに模すことで、危険を察知、忌避効果を発揮します。また、首が左右に駆動することで生きてる様に見せることが可能
    ■赤外線センサーおよびタイマーで起動可
    ■目や足元、後方にLEDが装着されており、嫌悪感を及ぼす光過敏症の周波数を採用した光で動物を威嚇
    ■50種類以上の多数の威嚇音を使い、野生動物の慣れを防ぎ長期間効果を発揮。約90dBの大音量で害獣を威嚇し、田畑などの農地を守ります。
    *90dbは約1km以上響く音
    電気柵や金網柵の利用者で、維持管理に苦労されている方から特に高評価を頂いています。  
  • これまでの主な用途
    ■畑、果樹園へ害獣侵入(食害)
    ■田へ害獣侵入(食害、荒らされ)
    ■ゴルフ場へ害獣侵入(荒らされ)
    ■養豚場へ害獣接近(豚熱防止)
    ■高速道へ害獣侵入(通行止防止)
    ■植樹への害獣侵入(若木食害)
    ■街中への害獣侵入(被害防止)
    ■テストコースへの害獣侵入(危険防止)

こちらが、株式会社太田精器が開発した「モンスターウルフ」です。

引用:株式会社太田精器ホームページ

モンスターウルフ」の名前の通り、外観はオオカミの姿をしていますね。

こちらのモンスターウルフは特許申請済みとのことです。
また、2019年には、第8回ものづくり日本大賞(北海道地域)で【ものづくり地域貢献賞】を受賞しています。

モンスターウルフの仕組み

このモンスターウルフは、害獣が近づくと赤外線センサーが反応して、LEDの点滅と90dbの大音量で害獣を威嚇し忌避するものです。タイマーでも起動できるそうです。モンスターウルフ特設サイトには動画も公開されていますが、光と音を感じた害獣たちが逃げていく様子が映し出されています。

ンスターウルフの導入実績は?

モンスターウルフは北海道を中心に全国各地の自治体や企業、個人農家など250台の導入実績があるようです。 *2024年6月現在

モンスターウルフはどうやって開発された?

株式会社太田精器の太田社長によってモンスターウルフがどうやって開発されたかについては、以下ざっくりまとめてみました。

  • 2008年頃、LEDの開発を独自でスタートするが大手企業の参入が相次ぎかなわないと考えた
  • ちょうどその頃、周辺の農家から害獣被害のことを耳にすることが多くなった(害獣対策が必要)
  • テレビアニメ等の強い光でてんかんを起こした事件で、原因が光の周波数であることを思い出した
  • LEDなら素子も切れないし再現できるのでは?と考え開発開始
  • LEDを7つ並べた試作品でエゾシカに対して試したが、効果があったのは最初だけだった(エゾシカが慣れた)
  • 動物の生態に詳しい大学教授に「天敵(オオカミ)の音を入れる、LEDを着色する」などの助言を受ける(害獣の慣れ対策)
  • 数十種類の威嚇音、着色したLEDが強い点滅光を発し、大音響で慣れさせないためランダムに変化する装置を開発→2年間の検証で大幅に害獣被害が減った→忌避効果が認められたので商品化(2012年頃) *当時の名称は「モンスタービーム」
  • 大学教授から「多くの野生動物の天敵がオオカミである」という理論を聞かされており、外観をオオカミにした新しい装置開発に取り組む。→2016年に現行型「モンスターウルフ」の完成

モンスターウルフは、株式会社太田精器の太田社長がLEDの開発に目を付けたところから始まり、大学教授の助言も借りて生み出された製品だったようですね!

モンスターウルフ害獣対策決定打になるか?

では、モンスターウルフ害獣対策決定打になるのでしょうか?検証・予想してみましょう。

①モンスターウルフの価格

本記事でご紹介したとおり、モンスターウルフの価格は605,000円(税抜)です。
この価格には、モンスターウルフ本体と付属品等、また設置費や交通費がすべて含まれています。

モンスターウルフは設置後のメンテナンスがほぼ必要ないとうたわれています。
ということは、購入後設置と設定さえしていれば、設置後モンスターウルフメンテナンス費用などがほぼ掛からないということになりますね。
*唯一、バッテリーの寿命が心配ではありますが…

一方、害獣対策でよく用いられるのは電気柵や金網柵ですが、まず、対象の農地の範囲を施工する必要があり大変です。また、害獣によって破壊された場合に下からもぐったりして突破されたりしますよね。さらには電気設備面のメンテナンスが必要であったりで、あとからの費用も人件費も、また人の力も必要になってきます。農家の高齢化も進んでおりメンテナンスも大変だったりしますよね。

このことから、費用も人の力も必要のないモンスターウルフは一度設置してしまえば害獣対策にかかる費用も抑えられ、導入が進むことが予想されます!

モンスターウルフの効果

よくある害獣対策として、対象農地に音を鳴らす道具などを設置して忌避する方法などもありますが、野生動物の知能は思っているよりも高く、すぐに慣れてしまい忌避効果が短期間しか続かないという結果が出ています。

本記事でも紹介したモンスターウルフの特徴の中に「50種類以上の多数の威嚇音を使い、野生動物の慣れを防ぎ長期間効果を発揮。約90dBの大音量で害獣を威嚇し、田畑などの農地を守ります。」というものがあります。

仮に、モンスターウルフが出すLEDの光に慣れてしまったとしても、50種類以上の威嚇音があり害獣が慣れるまでに長期間を要する、あるいは慣れる前に生涯を終える(捕まるなど)可能性が考えられますね。

このことから、モンスターウルフ害獣対策の効果が長期間続くため導入が進むことが予想されます!

モンスターウルフは進化中

モンスターウルフはさらに進化するようです。

特設サイトに以下の記載を見つけました。

今後、IoTや遠隔機能、そして自動走行する「ウルフロボット」等スマート農業に対応すべく、大学や研究機関、企業と共同で開発を進めており、究極の撃退装置を目指しています。モンスターウルフの進化は止まりません。

https://www.wolfkamuy.com/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%95%E8%AA%95%E7%94%9F%E7%A7%98%E8%A9%B1/

モンスターウルフは、大学や研究機関・企業と開発を進めているとのことで今後機能向上していくようですね。

モンスターウルフの課題は?

では、今後モンスターウルフ害獣対策の決定打になるための課題は何でしょうか?

モンスターウルフの知名度

すでにモンスターウルフは様々なメディアで取り上げられていますが、2024年6月で250台という導入実績を見るとまだまだ知名度が足りないのでは?と考えます。

今後モンスターウルフがさらに普及するには、SNS等で紹介する、CMを作成するなどして個人ユーザーにも認知してもらえるように知名度を上げる施策が必要かもしれませんね。

モンスターウルフの機能向上提案

モンスターウルフはまだまだ進化を続けるという内容を書きましたが
例えば、LEDの発光パターンのバリエーションを増やす、LEDの色を工夫するなどして、害獣がさらに慣れにくくする対策も検討されてはいかがでしょうか?(すでに検討中・検証中ならば申し訳ございません)


ということで、株式会社太田精器が開発したモンスターウルフ害獣対策の決定打になれるかどうか、今後の動向を楽しみにしています!

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