東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の、高橋治之元理事が代表を務めるコンサルティング会社「コモンズ」が、AOKIホールディングスから5,100万円の資金を受領したとされる疑惑で、高橋治之元理事がAOKIホールディングスを東京オリンピックのスポンサーにするよう後押ししていたことがわかりました。
この、高橋治之元理事が代表を務めるコンサルティング会社「コモンズ」については、各社とも詳細な情報がなかったため、本記事で調査をしてみました。
コモンズとはどんな会社?
それでは、コモンズの会社情報について確認していきましょう。
- 社名:株式会社コモンズ
- 本社所在地:〒158-0097 東京都世田谷区用賀1丁目9番10号
- 法人番号:4010401098538
- 代表取締役会長:高橋治之
- 社長:(記載なし)
- 電話番号:(記載なし)
- 主な業務:コンサルタント業務
- ホームページ:なし
コモンズについてかなり調べてみましたが、情報が乏しく上記以上の情報を得ることができませんでした。今後、コモンズについての追加情報を得ることができた際には記事を更新していきます。
コモンズの本社所在地の住所はわかりましたので、ストリートビューを見てみましょう。
正面に見える門の奥に高級車が並んでいます。後方に見える大きな建物が、おそらく本社所在地と思われます。
門の右手には「commons house」(コモンズハウス)と記されており、下にはポスト(投函口)が4つあります。一番上を拡大してよく見てみると、コモンズ会長の名前である高橋治之を示す「H.Takahashi」と書いているように見えますね。
(2022/7/27追記)東京地検特捜部が家宅捜索に入っていますが、各社が公開している画像に例の門が写っていました。「会社兼自宅」との記載もありました。間違いないようですね。
(2022/7/22追記)「ストリートビューを2009年まで遡ると表札が見えます」とコメントをいただきましたので、2009年まで遡ってみました。
確かに、高橋の文字が見えますね。
ただし、この時は「commons house」(コモンズハウス)の文字はありません。まだコモンズ設立前のものでしょうかね。
コモンズとAOKIの関係は?
AOKIホールディングスは、スポンサーに選ばれる前の2017年9月の時点で、株式会社コモンズとコンサルタント契約を結んでいた事実があるとのことです。株式会社コモンズ側には月100万円を基本に、五輪閉幕までの約4年間で約5,100万円が支払われたそうです。AOKIホールディングスの青木前会長は、約20年前からビジネスを通じて高橋元理事と親交があり、今回のコモンズとのコンサル契約は前会長から元理事に持ちかけたとされるとのことです。
AOKIホールディングスは、実際に東京オリンピックのスポンサーとなりました。
高橋治之元理事は「契約は五輪と無関係のゴルフ事業などに関するもの。五輪に関する働きかけは一切していない」などと説明しているということですが、AOKIホールディングス側は「回答は差し控える」と発表しているそうです。今後どのように釈明していくのでしょうか?
(2022/7/22追記)AOKIホールディングスの青木拡憲前会長が、事情聴取に「高橋元理事が『みなし公務員』とは知らなかった」と説明しているという報道がありました。相手が理事であることを理由に資金提供していないとし、賄賂に当たらないと主張しているとみられているそうです。
東京五輪・パラリンピック特別措置法では、組織委理事を「みなし公務員」と規定しているそうで、その職務に関して金品を受領して賄賂性が認められれば収賄罪に問われる可能性があるため、今回の釈明になっていると思われます。
渦中のコモンズとは無関係なコモンズが迷惑を被っている
さて、そんな渦中の「株式会社コモンズ」ですが、各社の報道では、コモンズについて以下のような記載のされ方をされていました。
コモンズ(東京)
この記載を受けて、同じコモンズの名称をもつ無関係の会社が迷惑を被っているようです。
コモンズ株式会社
東京都新宿区に本社を構える「コモンズ株式会社」のホームページには、以下のリリースがありました。
マスコミ報道の「コモンズ」と当社は一切関係ございません。
令和4年7月21日
コモンズ株式会社この度、電通の元専務であった高橋治之東京五輪・パラリンピック大会組織委員会元理事が在任中、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」側から4,500万円超を受領したとされる疑惑が各マスコミにて報道されておりますが、弊社「コモンズ株式会社」は、高橋氏が代表を務めるコンサルタント会社「コモンズ」とは一切関係がございません。
また、弊社グループ会社のコモンズ・コンサルティング・パートナーズ株式会社も同様に今回の報道とは一切の関係がございませんので、お知らせ申し上げます。以上
https://www.commons.co.jp/info/220721.html
また、グループ会社である「コモンズ・コンサルティング・パートナーズ株式会社」も同様のリリースを出しています。特に、こちらの「コモンズ・コンサルティング・パートナーズ株式会社」は、今回の関連ワード【コモンズ コンサル】で検索されやすいようです。無関係なのに大変ですね。。
他のコモンズは?
他にも、リリースは出ていませんが、東京でコモンズという名称(表記違い含む)を検索するといろいろな会社が出てきます。もしかしたら、これらの会社はもちろん、今回のコモンズとは無関係なのですが、「お宅の会社、オリンピックの疑惑があるんだって?」と問い合わせがあっている可能性もあり、迷惑を被っているかもませんね。
今回の渦中の「コモンズ」が、東京都世田谷区にある株式会社コモンズであると明確に記載がされていた報道記事も数社ありましたが、このように明確にされていれば、他の無関係の「コモンズ」に迷惑がかかることがなかったんでしょうがね。。
報道の仕方も考えさせられますね。
【追記①】コモンズが受託収賄容疑で家宅捜索を受ける
今回の受託収賄疑惑に関して、高橋治之氏の自宅兼会社(コモンズ)、AOKIホールディングス、電通に加え、新たにADKホールディングスも相次いで家宅捜索を受けています。
ADKホールディングスについては別記事で調査しています。
今後の動向に注目が集まりますね。
(2022年7月31日追記)AOKIホールディングスは、当時の電通の子会社に2億3,000万円を支払ったことがわかりました。その後、1億5,000万円程度をコモンズが受け取っているといいます。
当初受け取ったとされるコンサル料4,500万円とは別に、です。
そのうち、数千万円をADKホールディングスなどを通じて、JOC(日本オリンピック委員会)に加盟する2つの競技団体へ提供したということです。
受託収賄疑惑、さらに広がりそうですね!
【追記②】コモンズの高橋治之、逮捕される
2022年8月17日、コモンズの高橋治之氏が受託収賄容疑で逮捕されました。
また、AOKIの前会長の青木拡憲氏、AOKI前副会長の青木宝久氏、AOKI専務執行役員・上田雄久氏も贈賄容疑で逮捕されました。
逮捕前の事情聴取では、コモンズの高橋治之容疑者も、AOKIの青木拡憲容疑者も、資金については賄賂ではないという趣旨の説明をしているといいます。
どうやら、受託収賄の時効が5年となっているそうで、最初の支払いとされる2017年の10月から5年後、つまり、今年の10月から時効にかかることになるようなので、このタイミングでの逮捕に踏み切ったとされています。
東京オリンピックに関しては、まだまだ何か闇がありそうですね!
コメント
コメント一覧 (2件)
>ストリートビューを見てみましょう。
2009年のストリートビューでは、改築前の門が写っています。
漢字の表札もはっきりと読めます。
通りすがり様、コメントありがとうございます。
確かにしっかり見えますね!
記事に追記させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。