排水溝のふた、いわゆる「グレーチング」と呼ばれる物が盗難されたという報道が後を絶ちませんね。
山梨県の林道でも、グレーチング32枚が盗難されたとして警察に被害届を出すとのことでした。被害額は、グレーチング32枚で50万円相当だそうですが、グレーチングの重量は相当のものだと思うのになぜ盗難が相次ぐのでしょうか?
今回は、グレーチングの盗難が増えている理由と対策について調査してみました!
グレーチングの盗難の理由は?
グレーチングの盗難が相次いでいる一番の理由は、「鉄の買取価格が上昇している」からのようです。
買取価格が上昇している背景には、中国の影響があります。
世界最大の鉄鋼生産国である中国は、質が高く、環境に優しい鉄鋼業界の発展に向けた計画の一環として、国内鉱山の鉄鉱石生産を大幅に増加させ、鉄スクラップの利用を促進する方針を示しており、このことが関係しているようです。
25年までに年間3億トン以上の鉄スクラップを集め、鉄鋼業界に供給することを目指す。政府系のコンサルタント会社は、20年の鉄スクラップの供給量は約2億6000万トンだったと推計している。
さらに、25年までに電炉法の鉄鋼生産を拡大し、粗鋼生産全体に占める割合を25年までに15%以上とすることを目指す。政府系コンサルタント会社によると、20年の電炉法生産は全体の10%だった。
https://jp.reuters.com/article/china-steel-idJPKBN2KC0DO
では、グレーチングはどのようにして取引(現金化)されるのでしょうか?
グレーチングを売却する方法は?
グレーチングを売却する方法は主に2つです。
- 鉄屑としてスクラップ工場へ持ち込む
- 中古品としてリサイクルショップへ売却
鉄屑としてスクラップ工場へ持ち込む
グレーチングを、スクラップ工場へ持ち込んだ場合の買取価格について確認します。
金属をスクラップをする工場などで、グレーチングは「鉄屑A(ギロチン材A)」に分類されるそうなのですが、現在1kg当たり50円程度で取引されているとのことです。
グレーチングは、主に屋外の排水溝に設置するので頑丈で厚く重量があるので、まあまあの価格になるようです。
中古品としてリサイクルショップへ売却
グレーチングを、そのままの状態でリサイクルショップへ売却する場合の買取価格について確認します。
調査したところ、状態やサイズ等によって変動するようなのですが、1枚1,000円程度から買取をしているようです。
どちらの場合でも、グレーチングの枚数を集めれば価格が上昇するため、まとまった数での盗難が後を絶たないというわけですね。
今後は、スクラップ工場やリサイクルショップでは、グレーチングが持ち込まれた際には盗難品でないかどうかをチェックする必要が出てきており、業務が増えてしまう恐れもありますね。。
では、グレーチングが盗難されると、日常生活にどのような影響があるのでしょうか?
グレーチングの役割と盗難の影響は?
冒頭でも述べたように、グレーチングは排水溝などのふたとして使用されています。
グレーチングが盗難されると、盗難のため外された場所は溝となってしまい、歩行者であればその溝に落ちてしまいますし、自動車であればタイヤが脱輪してしまい事故に繋がります。
グレーチングを盗難目的で外す人の中には、交通の妨げにならないように端の部分のグレーチングだけ取り外す、少しだけ人の心を忘れていない人もいるようなのですが…盗難したのであれば犯罪であることに変わりはありません。。
では、グレーチングの盗難を防止する対策はあるのでしょうか?
グレーチングの盗難の対策は?
グレーチングが盗難されるのを防ぐ対策について確認していきましょう。
対策1:グレーチング同士を連結させてさらに重くする
グレーチングの形状にもよりますが、「連結クリップ」と呼ばれる物で、隣のグレーチングと連結させるやり方があります。
この方法ですと、グレーチングの重量が単純に2倍・3倍になってしまうので、重量が増してより盗難されにくくするという効果があります。
対策2:隣のコンクリートブロックの下にブラケットをつけて固定
グレーチングの隣にコンクリートブロックがある場合は、隣のブロックの下に金属製の部品を取り付けるという方法があります。
この方法ですと、グレーチングを持ち上げようとするとコンクリートブロックに引っ掛かり持ち上がらなくなるという効果があります。
対策3:ボルト固定式のグレーチングにする
そもそも、グレーチングをボルト固定式にするというやり方もあります。
この方法ですと、取り外しに工具が必要となりますので簡単には盗難ができなくなります。
対策4:透水性舗装をグレーチングの上から被せる
グレーチングの上から、透水性の舗装を被せて隠すというやり方もあります。
透水性舗装とは、通常の舗装が雨水の浸透による路床、路盤等の耐久性の低下を防ぐために、舗装内部へ水が浸透しない構造となっているのに対し、舗装体内に雨水が浸透し、路盤層以下まで雨水を浸透させる構造とした舗装です。
そのため、透水性舗装では地下水の涵養のほか、排水設備への流出量を軽減し雨水流出抑制効果が期待できます。引用:https://www.tokiwakogyo.co.jp/technology/?id=1529035721-178776
この方法ですと、グレーチング自体が見えないため盗難が発生しません。
グレーチングの盗難が後を絶たないため、各企業もいろんな知恵を出して盗難抑制に努めているようですが、対策されればその対策をしてくるでしょうし、いたちごっこの状態であることに変わりはありません。
グレーチングを盗難する人がいなくなるのが最も良い方法だと思うのですが。。
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