「みらいの郵便局」とは何?DXの仕組みを活用する郵便局が増えると影響は?

2021年7月1日、日本郵政グループのDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するため、新たに株式会社JPデジタルが設立されました。

JPデジタルは、日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命のグループ共通DX施策を推進していく会社です。

そんな中、東京都千代田区の大手町郵便局では、セルフレジやリモート相談コーナーなどを配置した「みらいの郵便局」の実証実験がスタートしています。

今回は、そんな「みらいの郵便局」について確認するとともに、「みらいの郵便局」が増えていくと既存の郵便局が今後どうなるか、影響などを確認していきましょう。

目次

みらいの郵便局とは何?

では、みらいの郵便局とはどのような郵便局なのでしょうか?

みらいの郵便局とは?

日本郵便とJPデジタルが力を入れる施策の一つで、お客さまによりよい体験をしていただくための取り組み。郵便局が持つリアルの力と、最先端のデジタルの力を掛け合わせて、リアルとデジタルが融合する郵便局のDX化の一環として設置した郵便局

みらいの郵便局の特徴は?

では、みらいの郵便局の特徴を確認していきましょう。

  • リモートで金融相談ができるライフカウンセリングコーナーがある
  • デジタルサイネージを配置したラウンジスペースがある
  • 混雑回避のため、郵便や貯金、保険の窓口の順番待ち番号札についたQRコードからスマホで待ち時間や人数が確認できる「デジタル発券機」が設置されている
  • 客が自分で普通郵便の郵送料や包装材の購入が行えるセルフレジが設置されている

ラウンジスペースには、郵便局のオリジナルグッズや地域の特産品などを展示し、贈答用にも購入できるそうです。また、セルフレジについては、購入の際の決済で現金は扱わず、電子マネーかクレジットカードに限定されているそうです。

みらいの郵便局が今後目指している姿の一例は以下です。

  • AIコンシェルジュにいつでも相談でき、手続きはしっかりと人が対応してくれる
  • 紙に記入したり料金を調べたりすることなく、機械に任せてサイズ・料金確認からラベル印刷までできる
  • 通勤途中にさっと立ち寄れる「セルフレジ」で、証紙発行からキャッシュレス決済まですばやく完了できる
  • 不在通知のQRコードでスムーズに、はこぽす(宅配ロッカー)や郵便局で並ぶことなく荷物を受け取れる
  • リアルタイムで配送状況が見え、いつでも受取方法の変更ができる(再配達・コンビニ受取・はこぽす)

みらいの郵便局は、既存の郵便局の業務を、DXの仕組みを活用して可能な限りデジタルに置き換える、という取り組みのようですね。

みらいの郵便局が増えるとどのような影響が?

では、DX仕組みを活用してデジタル化した「みらいの郵便局」が増えると、どのような影響が出てくるのでしょうか?

影響①人員の配置転換・賃金低下

これはみらいの郵便局に限ったことではないですが、DXの仕組みによるデジタル化が進んでいくと、それまで人の手で行っていた業務がデジタル化されるため、人員が不要になるという状態になりますよね。

単純に考えると、不要になった人員は、配置転換や転勤、最悪の場合仕事を失ってしまう恐れもあります。

また、そうはならなくても、業務が減って賃金も減るということにもなりかねません。

さすがに日本郵便くらいの大手になれば、その辺りまで考えて、このみらいの郵便局を推し進めていると思いたいですが…

影響②高齢者の郵便局離れ

DXの仕組みを活用したデジタル化の影響で忘れてはならないのが高齢者の存在です。

仮に、みらいの郵便局が増えて、既存の郵便局が減ることになると、高齢者がみらいの郵便局の仕組みについていけず、郵便局から離れてしまうことが懸念されます。

また、地方の小さな郵便局に行ったことがある方はわかると思いますが、局員さんと高齢者のお客さんが気軽にいろんな話をする場でもありますよね。そのような場もなくなってしまうのでは?という懸念もあります。

しかし、その点については、JPデジタルのCEO飯田さんは以下のように話しています。

地方の郵便局などでは特に、必要な用件だけではなく、いろんなお話を伺って、一緒に考えたりする。お店でも市役所でもない、独特の安心感とやさしい空気がある。この、とても日本らしいよさを持つ郵便局が、そのよさを大事にしながら、もっとよくなることは、すごく意味のあることだと思うのです。

https://www.jpcast.japanpost.jp/2022/01/138.html

みらいの郵便局になっても、人と人とのつながりを大事にする郵便局であってほしいものですね。


現在、実証実験中のみらいの郵便局ですが、実証実験の結果を元に令和5年度には5種類の実験局を開設、地域やニーズに応じて6年度から全国展開を進める方針だそうです。

また、今後、郵便局網とデジタルの融合を目標の1つに掲げているそうですが、既存局をみらいの郵便局に置き換えていくのか、既存局と別にみらいの郵便局を開設していくのか、その辺りも注目するとともに、記事に示した影響への対策も具体的に示していただきたいところですね。

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