リコーは、水中ハウジングケースを取り付けた状態の「THETA(シータ)」に取り付け可能な、浮力調整器「STAYTHEE(ステイシー)」を発表しました。
この「STAYTHEE」を360度カメラ「THETA」に取り付けることで、水中でも中性浮力が保てるようになるということです。
中性浮力という言葉は、ダイビングなどをしている方には耳慣れた言葉ですが、そうでない方にとっては、言葉のイメージが沸かないと思います。
そこで今回は、中性浮力がどんな状態を示すものなのかを確認していくとともに、「THETA」と「STAYTHEE」についても調査してみました!
中性浮力とはどんな状態?
それでは、中性浮力とはどんな状態なのか確認します。
人間を含む物体が、水中で沈みもしないし浮きもしない状態です。
浮く力(プラス浮力)と沈む力(マイナス浮力)が同じで、釣り合って均衡状態になることで、その物体は同じ深さを維持することが出来ます。
この説明だけだとよくわからないという方もいらっしゃるかもしれませんね。。
中性浮力を説明するうえで分かりやすいのはスキューバダイビングです。
スキューバダイビングにおける中性浮力について
スキューバダイビングでは、潜る前に水面でウエイトチェックという確認をします。ダイビングをする方は、マリンスーツを着用するほか、ダイビングに必要な機材を身に着け、さらに適切な重さの重り(ウエイト)も身につけます。そのウエイトが重すぎると沈んでしまうし、軽すぎると潜れないのです。
潜る前のこの確認をしないと、中性浮力を保つことはできません。
また、BCDという装置で空気を出し入れすることで浮力を調整するのですが、この調整の良しあしで中性浮力を保持できるかどうかが変わってくるそうです。
ダイバーの方は、ウエイト調整や空気の出し入れなどでうまく中性浮力を保っているということですね。
THETAとSTAYTHEEで中性浮力を保つ仕組み
それでは、リコーの「THETA」と「STAYTHEE」では、どのような仕組みで中性浮力を保てるようになるのでしょうか?
まずは、仕組みを確認する前に、THETAとSTAYTHEEのことについて確認していきましょう。
THETAって何?
THETAとは、リコーが販売している360度カメラです。
写真を撮ると、周囲360度すべてが撮れているという優れもので、本体に記憶容量もあり外部メディア(SDカードなど)が必要がないのも売りです。
フラッグシップモデルの「THETA Z1」は、グッドデザイン賞も受賞しており、デザイン性も良い360度カメラとなっています。
STAYTHEEって何?
前述の、THETAに取り付ける浮力調整器です。
下記画像の下半分がSTAYTHEEの外観となり、上半分の透明な部分は水中ハウジングケース、水中ハウジングケースの中にそれぞれ対応したTHETAが入ります。
THETAはいくつかのモデルがあるのですが、今回先行して予約を受け付けるのは以下の3タイプです。
- 「RICOH THETA SC2」およびRICOH THETA専用水中ハウジングケース「RICOH TW-1」
- 「RICOH THETA V」およびRICOH THETA専用水中ハウジングケース「RICOH TW-1」
- 「RICOH THETA X」およびRICOH THETA専用水中ハウジングケース「RICOH TW-2」
では、なぜ3タイプあるのでしょうか??
その答えが、中性浮力を保つための仕組みに繋がります。
THETAとSTAYTHEEで中性浮力を保つ仕組みは?
THETAとSTAYTHEEで中性浮力を保つようにできる理由は、各モデルで重さや形状が違うため、中性浮力を保つために必要なSTAYTHEEの重さ・形状をそれぞれ微妙に変えているためです。
ちなみに、THETA SC2とTHETA Vは同じ水中ハウジングケースを取り付けることが可能ですが、THETA本体の重さが違うため、中性浮力を保つために必要な重さが違いますので、STAYTHEEは別タイプという扱いになります。(THETA SC2:約104g / THETA V:約121g)
ということで、
対応したTHETAの重さや形状に合わせて作られたSTAYTHEEなので、中性浮力を保てる
ということになりますね。
しかし、このSTAYTHEE、シリンダを調整すれば浮力を変えることができ、あえて浮かせたり沈ませたりしてその様子を動画に収めることもできます。単に、中性浮力を保つだけのものではなく、遊び心満点なSTAYTHEEなのです。
また、STAYTHEEは今後、以下のカメラにも対応する予定とのことです。
- THETA X(リコー)
- HERO 10(GoPro)
- ONE X2(insta360)
今後、マリンスポーツなどのレジャー用途だけでなく、研究やビジネスなど様々な用途への展開も検討しているということで、THETAとSTAYTHEEが活躍する場も増えていくことでしょうね!
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