アメリカのIT大手Googleが、2023年4月13日に日本国内でデータセンターを開設したということで話題になっています。
Googleのデータセンターは、これまでは日本国内にはありませんでしたので、今回が初の開設となるそうです。開設したデータセンターの場所は千葉県印西市とのことですが、これまで公開されてきた情報より、千葉県印西市の千葉ニュータウンにある「グッドマンビジネスパーク」であると推測されます。
では、他の企業のデータセンターは、日本国内のどこにあるのでしょうか?
この記事では、各社で公開されている情報をもとに、データセンターの場所を一覧にまとめてみました。
日本国内のデータセンターの場所は?
それでは、各社のデータセンターの場所を確認していきましょう。
ここでは、代表的な企業やサービスのデータセンターだけ掲載しております。
企業名・サービス名 | データセンターの場所 |
---|---|
千葉県印西市 千葉ニュータウン内「グッドマンビジネスパーク」 *2023年中開業予定。場所は各種情報より推測 | |
Microsoft | ・東日本:東京都、埼玉県 ・西日本:大阪府 *Microsoft365の顧客情報の保管場所は、東京都と大阪府 |
Amazon (AWS) | ・東京都:品川区東品川、江東区枝川、西東京市向台町、多摩市唐木田 ・神奈川県:横浜市磯子区 ・千葉県:印西市 (3拠点) ・大阪府:大阪市西区新町、大阪市中央区城見 |
Dropbox | 日本国内(非公開) |
Box | 日本国内(非公開) |
KDDI | ・東京都:多摩市、新宿区、渋谷区など10拠点以上 ・栃木県小山市 ・宮城県仙台市 ・愛知県(2拠点) ・大阪府 ・広島県 ・福岡県 |
NTT コミュニケーションズ | ・東京都:江東区、文京区、三鷹市など ・神奈川県 ・大阪府:大阪市、茨木市 ・香川県 *上記以外にも提携データセンター多数あり |
ソフトバンク | ・東京都:府中市など4拠点 ・大阪府(3拠点) ・北海道 ・福島県 ・大分県 ・福岡県 *上記以外にも提携データセンター多数あり |
富士通 | ・北海道札幌市 ・宮城県仙台市 ・群馬県館林市 ・神奈川県川崎市 ・神奈川県横浜市(2拠点) ・長野県長野市 ・愛知県名古屋市 ・大阪府豊中市 ・兵庫県明石市 ・高知県南国市 ・広島県広島市 ・福岡県福岡市 |
日本電気(NEC) | ・北海道札幌市 ・千葉県印西市 ・神奈川県(4拠点) ・東京都 ・愛知県名古屋市 ・兵庫県神戸市 ・広島県広島市 ・愛媛県 ・福岡県福岡市 |
日立製作所 | ・神奈川県(3拠点) ・岡山県(3拠点) ・大阪府豊中市(日立システムズ拠点) ・神奈川県足柄上郡(日立システムズ拠点) |
SCSK | ・東京都(4拠点) ・千葉県印西市(3拠点) ・大阪府 ・兵庫県(2拠点) |
日本アイ・ビー・エム (IBM) | ・東京リージョン:東京都・千葉県など合計3拠点 ・大阪リージョン:大阪府など合計3拠点 |
QTNet | ・福岡県 |
日本国内でのデータセンター設置場所の特徴は?
それでは、各社が日本国内でデータセンターを開設している場所はどのような特徴があるのでしょうか?
①東京都心に近い場所にある
まず一番に言えるのは、東日本の要所である東京都心に近い場所にデータセンターがあるということです。
各社とも、東京都内または、都心へのアクセスが容易な神奈川県や千葉県にはだいたいデータセンターがあるということがわかります。
②大阪府付近にある
次に、西日本の要所である大阪府に近い場所にデータセンターがあるということです。
各社とも、大阪府内または、大阪府に近い兵庫県にデータセンターがある場合が多いことがわかります。
③福岡県付近にある
次にわかるのは、九州最大である福岡県内にデータセンターがあるということです。
④災害が起こりにくい場所にある
調査の結果、「災害が起こりにくい」場所にデータセンターがあるという場合が多いようです。
例えば、今回Googleがデータセンターを開設した千葉県印西市ですが、ハザードマップを見てもとても災害が起きにくい場所であるということがわかります。
「グッドマンビジネスパーク」周辺のマップです。
この辺りの「揺れやすさ(地震)」マップを見てみましょう。
緑色ですと揺れにくい、赤に近づくほど揺れやすいという凡例なのですが、ほとんどが緑色か黄色です。
次に、この辺りの「洪水・土砂災害ハザードマップ」を見てみましょう。
洪水や土砂災害が起きやすい場所には色がついている凡例なのですが、地図上は真っ白です。
現に、この千葉県印西市には数多くのデータセンターが設置されているようです。
なぜ各企業はデータセンターをいくつも設置しているの?
記事最初の表を見てもわかるように、ほぼ全ての企業が日本国内の複数拠点にデータセンターを設置していますがそれはなぜなのでしょうか?
それは、やはりBCP対策の一環であると言えます。
テロや災害、システム障害など危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し、生き延びられるようにしておくための計画。
BCPとは事業継続計画(Business Continuity Plan)の頭文字を取った言葉です。企業が、テロや災害、システム障害や不祥事といった危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し、生き延びることができるようにしておくための戦略を記述した計画書です。
災害が多い日本だからこそ、複数拠点設置しておくことには重要な意味がありますね。また、1つの拠点が使用できなくなっても別の拠点でバックアップするという動きも重要です。
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